加湿器が欲しい。そうだ、自作しよう。
寒い季節に近づいてきて、暖房家電をつける家庭が多くなってきたころ。
同時に、空気の乾燥が悩みの一つとしてあがってきます。エアコンは暖房器具の中でコスパが良い部類に入るのですが、湿度の低下もピカイチ。
何とかして、この乾きをうるわしたいと思いますよね。しかし、加湿家電を購入しようかと検討するのですがコスパを考えてしまいます。電気代、適応畳数、タンク容量、手入れのしやすさなど、考えることが多くなります。
できる限りシンプルな形で加湿したい。では、自作すれば良いのでは?という結論に至りました。
加湿ってなに?
まず自作するにあたって予備知識が必要になってきます。何も知らない状態で自作することはできませんよね。根本的に加湿するとは何なのか記載していきます。
「湿度(しつど)」は、空気中にふくまれる水分の量のわりあいのこと。
https://www.daikin.co.jp/school/class04/lesson02
あつく感じたり、さむく感じるのは、温度だけでなく湿度(しつど)も関係している。
つまり、気温と同時に湿度も変化するということ。
ということは湿度計だけ見るだけでは不十分であり、気温も確認する必要があります。また、快適である基準は人それぞれであるということです。乾燥していても気にしていない人や風邪をすぐひいてしうひとがいるということです。
湿度とは相対的なもの
よく夏になると「蒸し暑い」という表現があります。ただ暑いというわけではなく、蒸していて暑いのです。この場合、気温の他に湿度が高いということが何となくわかるでしょう。除湿器をつけるだけで涼しく感じるものです。
反対に、冬になると湿度の高い方が暖かく感じます。よって、暖かさを感じるためには乾燥している状態は暖房としてのコスパはよくないことがわかります。湿度を上げる(加湿)することでより暖かさを手にいれることが可能です。
加湿家電の種類について
加湿する上で手っ取り早いのが加湿家電です。電気と水があれば加湿することが可能です。
ただ、購入コストと電気代、メンテナンスが必要になり手間になります。また、加湿器にも種類があり、選ぶのも一苦労します。
加湿器には大きく3種類に分けられます。気化式、スチーム式、超音波式です。
気化式
湿らせたものに風をあてて湿らせるものです。熱くならないので、小さなお子様がいるご家庭におすすめです。フィルターの掃除が必要で数ヶ月に一回は交換が必要になることも考慮しましょう。
スチーム式
水を沸騰させて蒸気を出すことで加湿します。シンプルな構造のため、手入れをするのがとても簡単です。クエン酸を投入して洗浄ボタンを押すだけで完了します。加熱するので殺菌もでき、衛生的にもよいものです。ただ、本体価格と電気代が高いのがネックです。また、音が大きいことが多いです。沸騰させるためポコポコと音がします。睡眠時はつけない方が良いでしょう。
超音波式
水を振動させて細かくした霧を部屋に放ちます。熱くならないことと本体価格、電気代が安いのが特徴です。アロマオイルなどを投入することができる機器などがあります。
問題点としては、衛生的に良くないものが多いということです。蒸気ではないため、直接タンクの水を空気中に放ちます。タンク内の水は雑菌が含まれているため、水分とともに放たれてしまい、吸引してしまう可能性があるのです。
購入するには衛生対策がされたものを購入することがおすすめです。
そのほか3種類の方式を重ね合わせたハイブリット式があり加湿の効率が上がります。ただ、構造が複雑で本体価格や電気代が高いので予算を検討する必要がありますね。
自作した方がコスパは良いのか
色々と電気量販店で加湿器を物色していたときに、ふと「自作した方がシンプルでいいかも」と思い立ち作ってみることに。
3種類の加湿方式の中で簡単なのは気化式です。
洗濯物を干す原理で加湿するので構造が簡単になるでしょう。スチーム式は沸騰させるため温度を制御するのが大変。超音波式は水を振動させる必要と衛生対策が難点です。ということで気化式で作ります。
イメージとしては、水を入れた容器にタオルを吊し、毛細管現象でタオルに水を吸い上げてもらいます。そこに風を当てて蒸発させます。
容器とタオルを支えるものは100均のダイソーなどで購入。タオルは家にある使用していないもの。風は夏に使っていた扇風機で代用します。水は次亜塩素酸ナトリウムを混ぜて衛生面をカバーしようと思います。
購入して組み立て
購入したもの
商品名 | 個数 |
---|---|
ワイヤーネット 44cm×29.5cm | 2 |
ワイヤーネット用スタンド | 2 |
スクエア収納ボックス | 1 |
収納ボックスの中にワイヤー用スタンドを立てます。このとき互い違いにすることがポイントです。
次にワイヤーネットを装着します。裏と表があるので装着する際は凸になっている方をスタンドに当てがいます。
ワイヤーネットの上にタオルを被せます。両端が収納ボックスの底につくと水分の給水が速くなりますが、そうでない場合は片方だけ底につけるようにしましょう。これを2つ作ります。
水をタオルが浸かる程度入れます。入れすぎないよう気をつけてください。
そして、殺菌のため市販で売っている塩素系の薬剤を入れます。筆者の場合はブリーチの添加物用を入れました。これも入れすぎると塩素の匂いが強くなるため適量入れましょう。
最後に扇風機をタオルとタオルの間に風が通るように設置して完成です。
扇風機の風速は4段階中の下から2番目「弱」で運転しています。
湿度を測ってみる
実際に計測してみました。効果はあるのでしょうか。筆者自身も半信半疑です。
計測時はなるべく公平を保つため、料理や洗濯はしていません。蒸気が出てしまうものは控えました。エアコンの設定は変更していません。
湿度計はエアコンの真下、エアコンから約3m離れた場所においています。
結果
計測場所 | 計測開始 | 1時間後 | 3時間後 | 開始から3時間後の差 |
エアコンの真下 | 41% | 52% | 54% | +13% |
エアコンから3m離れた場所 | 29% | 37% | 38% | +9% |
平均 | 55.5% | 44.5% | 46% | +11% |
3時間の間で11%上昇したことがわかりました。
筆者自身はかなり驚いています。簡単なDIYでここまでの結果が出るとは思っていませんでした。長めのタオルを使って両端が底に着くようにすると、効果はさらに上がりそうです。
加湿家電は必要ない
今回の検証の結果をみて加湿器の家電を購入する必要がないと結論づけました。
扇風機という家電を使用しているものの空気を循環させる役割や、洗濯物を乾かすなど汎用性が高いのでコスパは良いと感じます。
むしろ、送風機にお金をかけた方が長期的にみても安上がりに感じました。扇風機だけでなくサーキュレーターの検討も考慮したいところ。
また、メンテナンスも簡単です。タオルは洗濯し、枠組みは洗剤をつけて洗うだけです。
万が一壊れてしまっても、100円なので購入のハードルはかなり低いです。
制作までに使った費用 550円
まとめ
ふと思ったことを有限実行したのですが、思った以上の効果で感動しました。コスパもかなり良く、しばらくこの状態で運用していきたいと考えています。不具合などが出た場合は報告します。
コスパ最強の加湿器、皆さんも作ってみてはいかがでしょうか。